一足の革靴ができるまで ―GROW NATURALLY見学レポート①

2016年 12月 18日



\こんにちは、三宮SOL店ナカイです。/

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シサムコウボウで人気のこちらの革靴ブランド

GROW NATURALLY (グロウナチュラリー)は

O.D.R.F. (オーディーアールエフ)という会社の

大野さんを筆頭に

大阪 西成の靴職人さんが

一点一点手作業で作ってくださっています。



みなさまも、愛用して頂いていたり、

一度はお店で見られたことはあるのではないでしょうか?





こちらの革靴が、

一体どうのように作られているのか

先日、見学に行って参りました!





三宮SOL店で一番フレッシュ

お客様目線に近い

スタッフ フジイからの質問に答えながら

レポートしていきます。



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(左/スタッフ : ナカイ  右/スタッフ : フジイ)



\よろしくお願いします~/

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フジイ(以下 フ) :「まず、この革靴はどなたがデザインされているんですか?」


ナカイ(以下 ナ) :「O.D.R.F.代表の大野さんがデザインされています!」



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ナ「大野さんがまず、靴の完成形をイメージしてデザイン画を描かれます。

ソール(底)のデザイン違い等も含むと、100型以上あるそうです!」


フ「100型!すごい!」


フ「紙に描いたデザインをどうやって形にするんですか?靴って立体ですよね?」


ナ「いい質問です! そこから実際の革靴作りの工程に入っていきます!」


ナ「革靴作りの大まかな流れはこんな感じ。たくさんの工程がありますが、

それぞれ専門の職人さんが携わって、一足の革靴ができていきます」



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フ「こんなにも段階があるとは。。驚きですね!」


ナ「本当に! 手間ひまかかっているんです!」


ナ「まずは、紙型氏さんが

デザイン画から紙型のパターンに落とし込みます。

デザイン画を元に、木型に絵を描き、

そちらを平面の紙の紙型にします。」




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ナ「一個ずつできたパターンに対して、

サイズ毎に大きさも違うんです。」

こちらが紙型です!」




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フ「そういえば、「型紙」ではなく「紙型」なんですね。」


ナ「大野さんも理由は分からないそうなんですが、

靴業界では何十年も前から、紙型や紙型師と呼ぶそうです。」


フ「業界用語というものでしょうか・・

服作りでいう所のパタンナーさんですね!」



ナ「その通り!

でも、服と違う点は、非対称である、ということ。

プレーンなデザインの靴でも、

人間の足に合わせると、土踏まず等があるので、

内側と外側が同じラインでは

履ける形にならないんです」



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フ「本当ですね!確かに、紙型を中央で折りたたんでも

ぴったり重ならずにズレて重なってますね。」


ナ「デザイン通りの靴が仕上がるかどうかの

第一歩を担う、想像と計算、

経験から成り立つ工程ですね!」



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フ「この紙型を元に革を裁断していく訳ですね!」


ナ「はい!続けて「裁断師」さんの工程へ移ります。

裁断師さんの工程は実際に見せて頂きました。」



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「こちらが裁断場、

GROW NATURALLYの靴の

革はこちらで裁断されています。

裁断師の山崎さんにお会いしてきました!」



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フ「おおお~!この方が裁断してくださっているんですね。

裁断って、ハサミで切っていくんですか?」


ナ「いえいえ、

革、特に

GROW NATURALLYの靴で使っている

タンニンなめしの革は堅さがあるので、

鏨(たがね)と

クリッカーというプレス機を使って裁断します。」


フ「鏨(たがね)?」


ナ「革を型抜きするための金型を鏨といいます。」



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紙型師さんが作った紙型に合わせて、歯型屋さんに制作してもらうそうです。

靴はいくつもパーツに分かれているので、もちろんパーツ毎、

そしてサイズ毎に鏨を作ります。

歯は革を切るものだけあって鋭利でした!」



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ナ「工房では、種類ごとに鏨を箱ごとに分けて保管されてます。」




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ナ「こちらの写真は1番人気のショートブーツGN-7の鏨ですね。

いちばんパーツが多く、9つにも分かれてます!」



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フ「パズルみたいですね~

気を付けないとサイズが違う物が混ざってしまいそう…」


ナ「実はちゃんと目印がついてるんですよ〜(にやり)」


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ナ「このギザギザの数がサイズの目印なんです!」


フ「そんな所にも工夫が!」

フ「ちなみに、この針はなんですか?」



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ナ「靴ひもが通る穴や縫製の目印に

なる場所だそうです!」





ナ「裁断師の山崎さんはこちらの鏨を使って、

プレス機で革を型抜きしていかれます。

っと!一言で言っても簡単なものではないんです!」


フ「と、言いますと・・?」


ナ「店頭で革靴を手にとって分かるように

タンニンなめしの革は一点ずつ表情が異なります。

元々は、こんな大きな革なんですが、」



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フ「大きい!牛さん1頭分ですか?」


ナ「ね!私も大きさにビックリしました〜

こちらの大きさで半身だそうです。」


ナ「私には1枚の革にしか見えなかったのですが、

山崎さんは革の表情を見るだけで、

その革がどこの部位かすぐ分かるそう!」



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ナ「この半身の中で、お尻やお腹など

それぞれの部位で革の柔らかさや表情が違うので、

どこの革靴パーツにどこの革を使うかを見極める!

そこが一番の腕の見せ所になります!」


フ「革への愛を感じますね。。。

柔らかさでいうと、山崎さんの革の采配で

履き心地もかわりますよね?」


ナ「そうなんです。機能面でも、しっかり足を守る部分、

曲がりやすい方がいい部分、それぞれありますしね。

靴のトップはやっぱり一番綺麗なところを使います。

一番きれいなのはお尻のところだそう。

お腹の柔らかいところなど

全体的に、動くところはシワができやすいそうです。」



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フ「それぞれ向き不向きがあるんですね。」


ナ「そうなんです!」


フ「それにしても、

こうして革を見ると…美しいですよね(うっとり)」




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ナ「本当に!自然の色ってやっぱりきれいですよね~」


ナ「その分、表情や色味も、仕上がりに大きく影響するので、

ひとパーツひとパーツ型抜きしていく際、

左足のパーツを切り抜いたら、

そのすぐ隣で右足のパーツを切り抜く

というように左右差がでないように、

そして、無駄な革がでないように全体を見ながら作業していきます。」



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ナ「さらに、自然に近い状態の革なので、

傷をよけて型抜きすることにも細心の注意が必要なんだそうです。

型抜きの作業に入る前に

あらかじめ、チャコペンで傷の部分に印をつけられています。」




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フ「見失いそうですもんね~」



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フ「表情・色味・傷・柔らかさ…

たくさん気を使わなければいけないところがある

この革を、なぜ大野さんは選ばれたんでしょうか?」



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ナ「GROW NATURALLYの靴で使われている革は

【栃木レザー】という会社で作られている、

タンニンなめしの革です。」


ナ「化学薬品を使ったクロムなめしの革に比べ、

環境に負荷のないタンニンなめしの革は、

色合いや風合いなど不均一なため、

バッグや小物で使われることが多く、

左右対称に作らなければならない靴づくりでは、

扱うのがとても難しいそうです。」


ナ「しかし、やはり革の肌触りや、

経年変化で生まれる革特有の風合いは抜群で、

この革だからこそ作れるものがある!と、

『 【タンニンなめしの靴づくり】 にこだわっていく 』

という強い意志を持って製作してくださっています!」




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(左:大野さん 右:山崎さん)


フ「環境にも優しいんですね!

そして味わい深い素材…

そういえば、GROW NATURALLYの他に

栃木レザーの靴って見たことないかもです…!」




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ナ「昔は【栃木レザー】のように

手間暇かけて作っている革屋さんが

ほとんどだったそうなんですが、

日本の経済の発展に合わせると

今の消費のスピードに合わなくなり、

化学的な技術で

ものを作る体制にしてきた

革屋さんが多い中、

栃木レザーは希少な存在ですね~!」


フ「なるほど~ふむふむ。」



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ナ「さて、いよいよプレスしていきます!

こちらがプレス機!」



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フ「おぉ~かっこいいですね!」



ナ「1プッシュに20tもの圧力がかかるので、

革だけでなく、鏨を押さえてる手の位置も

気をつけなければなりません。」


フ「はさんでしまったらって考えると恐ろしいですね。。」


ナ「体験させて頂いたんですが、

鏨を革に置いた後は、

『右手はプレス機のレバー、

左手は体の後ろ!危ないから!』

と教えていただきました。」



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フ「おお~!貴重な体験ですね!」


ナ「ドキドキしちゃいました~」



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フ「結構、体力がいりそうな作業ですが、

山崎さんっておいくつなんですか?」


『60!』と元気に仰っていました!」



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フ「若々しいお方ですよね~」


ナ「優しい表情が素敵な方でした!

山崎さんは、

お父様が靴づくりの仕事をしていたことがきっかけで、

この世界に入ったそうです。」


ナ「今は、裁断専門でお仕事をされていますが、

以前は靴づくりのすべてに関わっていたので、

ご自分で靴を作ることができるそうです。

お父様の手伝いをしながら始めたばかりの頃は、

サンプル品と、自分の作った本製品の違いに

『よう怒られたわー』と笑いながらお話してくださいました。」


フ「人に歴史あり!ですね」


ナ「仕事は、相手から教えてもらうんやなくて、

分からんことがあったら、自分から聞きにいくんや。」

と、仕事に対する姿勢を教えてくださいました!」



フ「職人気質!ってかんじですね~」



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山崎さんとご一緒に集合写真!

(左上/スタッフ:ナカイ  中央上/online storeスタッフ:サタケ 右上/卸スタッフ:マツダ

左下/シサムコウボウ代表:ミズノ 中央下/山崎さん 右下/卸スタッフ:ヤバタ)






ナ「がっつりとお話ししてきたのですが、

今日はひとまず、ここまで!

次回に続きます!」


フ「ひとつの工程でも

たくさん工夫があって…

職人さんの手仕事って奥が深いですね…」


ナ「次回も引き続きディープなお話をしていきます!」



ナ・「お楽しみに~!」



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三宮SOL店 ナカイ




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