ディープなシサム

シサム誕生まで

シサム工房代表、水野泰平、20歳の時(1989年)、南アフリカでのアパルトヘイト(人種隔離)問題と出会い、強い衝撃と共に、そのあまりの不条理さに強い怒りをおぼえ、反アパルトヘイトの市民活動に参加する。

その後、アジア、アフリカへの一人旅を始め、さまざまな所で、さまざまな人たちが、さまざまな状況の中で、あたり前に、そしてたくましく暮らしていることへ純粋に感動した。そしていつの間にか、何かしらの形でアジア、アフリカの人たちとのつながりを感じながら、生きていきたいと考えるようになる。

学生を修了後(1995年)、ふとしたきっかけでエスニック民芸店を経営する会社に入社する。そこで約4年間、仕入れ、輸入、販売に関わる知識、経験を得る。

退社を決めてそこで考えた。NGOの海外現地スタッフとして、直接アフリカの人たちと暮らすことを目指すか、自分の店を日本に持って、そこを基点にアジア、アフリカの人たちとのつながりを築いていくか。

10年先の自分を一生懸命想像したとき、無理せず純粋に素直な自分でいられる状態はどっちか、そう考えて出した答えが、1999年、4月25日のシサム工房設立になる。

あくまで自分のついていけるペースで、南の人たちとのよりいい形でのつながりを常に求めながら、生きていく。その場としてシサムを育てていきたいと思っている。

同時に、今後増えていくであろうシサム工房で共に働く人たちの想いや理想、そしてお客様の想いまでが加わりながら、予想もつかない展開になればなお楽しいと思っている。

店名「シサム工房」に込めた想い

いつの間にか好きになっていた手仕事の品々。自分が「何で好きになったか」と考えてみると、きっと一つ一つが、みなすべて異なっていることが魅力なのだと思います。

ものだけでなく人にしても、それぞれがみな異なっていることに面白さ、魅力を感じるのです。

アイヌ関係の本の中で、偶然出会ったのが「シサム(隣人)」という単語。「同じ人間だからつながるのではなく、お互いに個性として異なる人、だけどお互いに無関係では生きられない隣人として、互いを尊重しあいながらいきる」、そんな想いをこの言葉に込めて、店名としました。

シサム工房という場を通して、自分も含め、一人でも多くの人がシサムとなり、互いを尊重した関係を築いていければと願っています。

シサムの場で共有したい価値

1)異なる生活習慣や文化背景の下で、人の手により生み出される、手仕事品の味わいや、そのかけがえのない価値。これは、機械による大量生産品では味わえないと考えます。

2)ものの背景にある、作り手の生活や、生産・流通過程での社会や文化、環境面での影響に思いをはせた消費行動の提案。

3)よき隣人として、地球上のあらゆること、ひと、ものを意識し、自分たちの身近な生活に結びつける生き方の提案。

事業を通して表現する

シサムは、販売を通して営利を追及することだけを目的に設立した事業体ではありません。 自分たちが生き方として信じる価値を事業の中で表現し、それを生業とすることを目的にした事業体です。

表現方法

社会に対し、表現するといっても、一方的にアピールするという姿勢ではなく、多くの方たちに共感を持って受け入れていただくためにはどうしたら良いか、という姿勢で常にありたいと考えています。

日常の店舗業務の中では、(1)取扱商品の選択(2)空間作り(3)接客態度や方法。 これらトータルで表現していきたいと考えています。

シサム工房 代表 水野泰平